CNS/NP y.m. diary

北海道で慢性疾患専門看護師/プライマリーケア診療看護師をしている看護師が日常のことを記事に

私が診療看護師(NP)を目指した理由

※このブログは個人的な意見を記載されており、組織の方針とは異なることが記載されている可能性がありますので、ご理解ください。

 

まずは、第9回NP試験に合格された方、おめでとうございます!そして、入学してから卒業まで、本当にお疲れ様でした。論文書きながら、実習をこなして、本当に血がにじむ思いだったと思います。

 

さて、筆不精な私がブログを書いてみようかと思ったのは、同じくNPを目指しているツイッターのフォロワーさんから執筆依頼を受けたことです(現在作成中)

 

自分も歩み始めたばかりのつたないNPなので、皆さんが驚くようなことは書けないと思いますが、これからNPやCNSを目指す人の参考になることがあればと思い筆をとりました。

 

『 診療看護師(NP)をめざした理由 』

おそらく多くの診療看護師が、自分のスキルアップ、そして組織/社会への貢献、なにより患者のためにという思いでこの道を目指していると思います。

 

私も同じように、最初は単なる「憧れ」、そして年齢的に本気でキャリアを考えるようになったことからはじまりました。

 

最初にNPを目指すきっかけとなったのは、いまから18年も前に海外のNPの活躍を知ったことでした。大分県立看護科学大学でNPコースが設立されたのち、母校でNPコースが設立され、淡い夢が現実的なものになりました。

 

そのころ、救急外来で中間管理職をしていた私がたまたま母校へ行く機会があり、現在のNPコースの教授と面識を持つようになりました。後に自分の職場がNPコースの実習先となり(当時は特定看護師養成試行事業という名目で)、そのお手伝いさせて頂くようになったことも、私自身が進学する意識づけになったのだと思います。

 

ただ、進学する上でハードルとなったのが、学費が工面できるかと、仕事と学業の両立ができるかの2点でした。これは、進学を考える上でどなたもが一度は悩む問題ではないでしょうか?

私の場合は、幸いにもすでにNPコースに進学していた者がいたため、長期履修で働きながら修業できたことと、実習期間中(休職中)の給与サポートが設定されていたことが大きかったですね。本当に助かりました。

全国各地でNPコースをもつ大学院が増えてきていますが、長期履修が認められているところと、認めてはいるが現実的に働きながらでは履修できないところとあり、進学する学校により働き方・学び方を考えなくてはならない状況があるようです。

 

私は、元々大学で地域看護学講座を専攻しており、いずれは地域看護/地域医療で役立つスキルを身につけ、活動したいと思っていました。私の住む北海道札幌市およびその周辺は全国でも有数の高齢化/高齢者増加が著しいところです。そんななかで地域医療は超高齢化医療の需要を満たすほど受け皿がなく、その質も不安定な状況が続いています。そんな状況を少しでも良くできないかと思っていることが、私がNPを目指す一番のモチベーションに繫がっています。

 

『 看護師の基本は「患者に寄り添い、患者の健康を維持/向上させること」 』

 

この視点はNPとしての基本姿勢に通じるところです。看護師と違うのは、医学的知識を日常のケアや判断に活かすことだと思います。いまだに風邪に抗菌薬が使われていたり、重複した薬を飲んでいたり、副作用がでているのに処方のカスケードがされていたり、ワクチンが適切に接種されていなかったり、生活習慣病薬物療法以外のアプローチがされていなかったり、高齢者に過剰医療がされていたり、地域には多くの問題が存在しています。

もちろん、私一人だけの力でこれを変えることはできないので、地域の看護師や医療・福祉従事者を巻き込んで、地域医療の向上に寄与できればと思っています。

 

そして、看護師、医療・福祉従事者へのエンパワーメントも重要な役割だと思います。小さい病院や診療所、訪問看護ステーション、施設などでは教育システムが十分でないところもあるかと思います。そういったところへ教育サポートすることも大事な地域医療の発展につながるかと思います。もちろん地域住民への健康教育も。

 

病院だけで看護をする時代はとっくに終わりました。地域での看護力は日本のこれからの医療の良し悪しを大きく左右するものです。

 

前回のNP学会でも発表したように「地域医療への貢献」「看護師のみならず、すべての医療・福祉従事者へのエンパワーメント」そして、「患者のヘルスアウトカムの向上」これはプライマリーケアNPが目指すべき重要な役割だと思っています。

 

長々、お読み頂きましてありがとうございます。続編をお楽しみに。